聖☆おにいさんに登場する「Tシャツ文字」の元ネタを探る その8

「Tシャツ文字」の元ネタを探る その8

ブッダさんとイエスさん、「聖☆おにいさん」の中で二人が着ているTシャツ
すごくきになりませんか。欲しくなりませんか!?
(実際、スペシャルプレゼントTシャツが配られた位!!)
でも、ブッダさんお手製ということもあって、よく意味のわからないことが書いてあることも・・・
折角なんで、調べてみました。

ここで使用する宗教用語があらゆる文献を交えて書いている失礼をここでお詫び申し上げます。
ブッダにイエス、彼らの姿を書きとめた文書は多く、その姿は少しずつ違っています。
ここにまとめられた人物像も、あくまでその一端に過ぎません。
そのことをご理解いただきつつ、楽しんで頂ければと思います。

「Tシャツ文字」の文字、どういう意味!? その8

Tシャツ文字
4巻表紙絵で着ていたTシャツ。左がブッダさんで、右がイエスさん。

【仏なんだもの】
うんうん、仏なんですもんねぇ。

【善いサマリア人】
2巻でも着てますね。お気に入り?
「ルカによる福音書」の10章25〜37節にかけて「善いサマリア人」という一節があります。
イエスさんの所に法律の専門家がやってきます。
その人が何とかイエスさんをやりこめてやろうとして、いろんなことを聞いてきます。
そして最後に、「隣人を愛せと言うけど、隣人って誰ですか?ちゃんと教えてください」
と聞きます。
その時にイエスさんがした例え話が、こちら。
「ある人が旅の途中で追剥にあってしまいます。
お金もとられてあちこちケガをして動けず、道に倒れていました。
最初にその道を通りかかった祭司さんは、彼を見つけても知らないふりをして行ってしまう。
次に通るレビの人も同じく。
3番目にそこを通りかかったサマリアの人は倒れている人のケガを治療して介抱し、
自分の乗っていた家畜に乗せて宿まで運び、宿屋の人にお金を渡して
彼を介抱してあげるように言って去って行きました・・・
さて貴方は、この3人のうちの誰がケガした人の隣人になったと思いますか?」
とイエスさんは法律の専門家さんは聞きます。
法律の専門家さんは「そりゃあ・・・最後のサマリア人でしょう」と答え、
結局イエスさんをやりこめることができませんでした、というお話。
祭司さん、レビ人さんが何故見て見ぬふりをしたかと言うと・・・
二人とも祭礼関係者のため、「死体に触れてはならない」禁忌があって、
倒れている人がもしも死んでいる場合、自分たちが禁忌を犯してしまうということを恐れたため、 先の二人は倒れている人を避けて通ってしまいます。
最後に通ったサマリア人さんは自分が困ったことになったとしても人を助ける人 を象徴しています。 そこから、自分よりも人のことを思い行動する人・物事を「善いサマリア人」と称するみたいです。


Tシャツ文字
4巻その23話で着ていたTシャツ。左がブッダさん。なんとイエスさん、この回のTシャツは無地。

【最上の牛】
ブッダさんの名前は「ゴータマ・シッダールダ」。 ゴータマは「優れた牛・西条の牛」という意味

【−】


Tシャツ文字
4巻その24話で着ていたTシャツ。左・中央がブッダさんで、右がイエスさん。

【ゴータマ】
ブッダさんの名前。
サンスクリット語でブッダさんは「ゴータマ・シッダールダ」と言う。
ゴータマは「優れた牛」という意味なんだとか。
・・・牛・・・?
ちなみに、「シッダールダ」は「成し遂げる」という意味。
生誕はおよそ2,500年前の紀元前4〜5世紀。
シャーキ国の国王とマーヤ婦人の子供で、生まれながらの王子。
ゴータマさんは29歳の時に地位も家庭も捨てて(当時結婚もしている) 苦行や修行を経、
ついに万物を貫く心理、すべての苦しみから解放される法則に到達する。
サンスクリット語で「目覚めた者」を意味するのが「ブッダ」で、
シッダールダは王子の身分をしてて城を後にして6年後、 35歳にして真理に目覚め=ブッダになったとされる。
つまりはまぁ、ブッダさんとはあだ名のようなもの。

【はじめの七歩】
ブッダさん、生まれてすぐに7歩歩いたのだそう。 それはとっても有名なエピソードで、 7歩歩いた後、「天上天下唯我独尊」と言います。
(生まれたてなのに、ほんとすごいね!)
天上天下は、天界も、地上も(全て)という意味。
唯我独尊は、「全ての命は私と等しく尊い」という意味。
「私が唯一尊いもの」と訳されることもあって、ヤンキーさんにも有名なフレーズです。

【山派】
海が苦手、というイエスさんなので・・・海よりは、山派?
ノアの方舟が到着したのも、山。水は苦手っぽいイエスさん。


Tシャツ文字
4巻その25話でブッダが着ていたTシャツ。左がブッダさんで、右がイエスさん。

【金の鹿】
ブッダさんの生まれ変わる前の姿。
ブッダさんは、ブッダ(=目覚めた者)となる前に、
何度も何度も生まれ変わり、菩薩として善行を積んでいた時代があるそう。
その中の1つが、金の鹿。
鹿を狩るのが好きな王様がいて、毎日1頭、鹿を狩ることに決めていた。
その山には金の鹿もいて、その鹿はキレイだったので
「あの鹿だけは狩らないこと」と家来に命じていた。
毎日毎日1頭ずつ狩られる鹿。お腹に赤ちゃんのいる鹿の変わりになって
金の鹿は殺されてしまう。
王様は他の鹿の身代わりになった金の鹿を見て、
慈悲の心を知り、もう鹿を狩ったりしなくなった。という逸話。

【粘土の雀】
「トマスによるイエスの幼時物語」にあるイエスさん幼少期のお話にまつわる。
5歳のイエスさん、粘土で十二羽の雀を作って遊ぶ。
遊んでいたのは安息日。仕事や遊びをしてはいけないとされている日。
それを見つけた人がイエスさんのお父さん、ヨセフさんに
イエスさんが泥遊びをしていることを告げる。
怒ったヨセフさんはイエスさんに大声をあげてしかる。
叱られたイエスさんはその場で手を叩いて雀に向かって「行け」という。
すると粘土で作った雀がみんな本物の雀になって空に飛んでいった・・・というお話。
若気の至りですか・・・?イエスさん。


その他のTシャツについても気になる方はこちらから!!

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その1
1巻表紙絵:「南無三」「ジーザス」、1巻見出し絵:「仏顔×3」「ヨシュア」、
1巻見出し絵:「シャカ族」「父と私と精霊」、1巻その1話「シッダールダ」「アーメン」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その2
1巻その2話:「ニルヴァーナ」「ミレニアム」、1巻その3話:「スジャータ」「Male Is Not Ambitious」、
1巻その4話:「ほけきょう」「13」、1巻その5話「右脇」「夢」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その3
1巻その5話:「白い象」、1巻その6話:「サムソンとデリラ」、
1巻その7話:「ダンマパタ」「東方三博士」、1巻その8話:「バラモン」「魚×2 パン×5」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その4
2巻表紙絵:「天上天下」「ヨシュア」、1巻その10話:「ラーフラ」「善いサマリア人」、
2巻その11話:「ぼんてん」「アブラハム100歳」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その5
2巻その12話:「竜王ムチリンダ」「ベロニカ」、2巻その13話:「カンタカ」「サロメ」、
2巻その14話:「出家しました。」「ばべる」、2巻その15話:「サイのツノ」「知らない×3」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その6
3巻表紙絵:「カーシーブランド」「ダビデ」、3巻その16話:「降魔成道」「大工の子」、
3巻その17話:「クシナガラ」「銀貨30枚」、3巻その18話:「水桶返し」「やっぱりロバが好き」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その7
3巻その19話:「カーシーブランド」「ダビデ」、3巻その20話:「10人」「12人」、
3巻その21話:「ディーパンカラ」「アララト」、3巻その22話:「元スメーダ」「刑事ポリス」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その9
4巻その26話:「歯×40」「根比〜べ」、4巻その27話:「うらぼんえ」「るるど」、
4巻その28話:「あらかん」「ガリラヤ」、4巻その29話:「スッドーダナ」「ゲッセマネ」


【参考文献】
釈迦とイエス:ひろさちや著
ズバリ図解仏教:仏教史編纂委員会著
知識ゼロからの仏教入門:長田幸康著
はじめての宗教:三田誠広著
イエスの生涯:ジェラード・ベシエール著、小河陽監修
聖書名表現の常識:石黒マリーローズ

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