聖☆おにいさんに登場する「Tシャツ文字」の元ネタを探る その7

「Tシャツ文字」の元ネタを探る その7

ブッダさんとイエスさん、「聖☆おにいさん」の中で二人が着ているTシャツ
すごくきになりませんか。欲しくなりませんか!?
(実際、スペシャルプレゼントTシャツが配られた位!!)
でも、ブッダさんお手製ということもあって、よく意味のわからないことが書いてあることも・・・
折角なんで、調べてみました。

ここで使用する宗教用語があらゆる文献を交えて書いている失礼をここでお詫び申し上げます。
ブッダにイエス、彼らの姿を書きとめた文書は多く、その姿は少しずつ違っています。
ここにまとめられた人物像も、あくまでその一端に過ぎません。
そのことをご理解いただきつつ、楽しんで頂ければと思います。

「Tシャツ文字」の文字、どういう意味!? その7

Tシャツ文字
3巻その19話で着ていたTシャツ。左がブッダさんで、右がイエスさん。

【カーシーブランド】
3巻表紙絵にも登場、のTシャツ。
仏典でも紹介されている、紀元前6〜5世紀頃に古代インドにあって
互いに争っていた16の国があって、その中の1つに、カーシーという国が。
「聖☆おにいさん」の中でブッダさんが「カーシー産の布が・・・」という下りがあることから、
地名を意味しているものと思われる。
出家前、王子様だったブッダさんは、カーシー産の布しか洋服に使わなかったんだとか。
(現存するブランド名ではないらしい)

【ダビデ】
3巻表紙絵にも登場、のTシャツ。
ダビデとは、人の名前。
元はベツレヘムの羊飼いの生まれ。竪琴の名手らしい。
ペシリテ人の戦士を倒して有名になり、その後も功績をあげ、
最後にはイスラエルの王様となる。
新約聖書にはキリストさんは「ダビデの子」(子孫)だというフレーズがいくつか出てくる。


Tシャツ文字
3巻その20話で着ていたTシャツ。左がブッダさんで、右がイエスさん。

【10人】
ブッダから直接教えを受けた有力な弟子が10人いて「十大弟子」として知られている。 その十人の弟子はそれぞれの得意分野があり、シャーリプトラは智慧第一(教えの理解が早い)、マウドガリヤーヤナは神通第一(前世を見ることができる)、マハーカーシャッパは頭陀第一(質素な生活ができる)、スブーティは解空第一(空の思想の理解に優れている)、プールナは説法第一(説法に優れている)、マハーカーティヤーヤナは論議第一(ブッダの教えを解り易く説くことができる)、アニルッダは天眼第一(真理を直接見ることができる)、ウパーリは持律第一(戒律を担当した)、ラーフラは密行第一(規律をよく守った)、アーナンダは多聞第一(側近として最も多くの説法を聞いた)。

【12人】
イエスの直属の弟子の人数が12人だから十二弟子といわれていて、
最も有名なキリストの絵「最後の晩餐」に描かれているのがその弟子たち。
そのなかには最愛の弟子ペトロとその兄弟アンデレとゼベダイの子ヤコブとヨハネもいる。
五番目の弟子はローマに納める税をユダヤ人から取り立てる役目の徴税人マタイ。
「マタイにようる福音書」によると他にはフィリポとバルトロマイ、トマス、
アルファイの子ヤコブとタダイ、熱心党のシモン、そしてイエスを裏切ったイスカリオテのユダ。


Tシャツ文字
3巻その21話で着ていたTシャツ。左がブッダさんで、右がイエスさん。

【ディーパンカラ】
仏さまの名前。漢字では燃燈仏、定光仏、錠光仏などと呼ばれる。 どれも光、燃えるなんて文字が入っていることからわかるように、 「ともしびを輝かせる者」という意味。 ブッダさんが修行僧時代に、悟りを開く(=ブッダとなる)ことを予言した仏さま。

【アララト】
トルコ共和国にある標高5,000m以上ある高い山の名前。
(Tシャツにも富士山みたいな山のイラストが)
ノアの方舟(旧約聖書に出てくる世界を襲った大洪水の際にノアさんの家族とその妻子、
それからすべての動物のつがいを乗せた舟。他の人にも教えたけど、誰も信じて乗らなかったそう。
舟に乗らなかった人は皆流されてしまう。 ノアの方舟を作った当時のノアさん、600歳。)が大洪水の末に辿り着いたとされる場所。
今も昔も、「(アララト山で)ノアの方舟の痕跡を見つけた」という人が大勢いるらしい。
形も富士山に似た山らしい。


Tシャツ文字
3巻その22話でブッダが着ていたTシャツ。左がブッダさんで、右がイエスさん。

【元スメーダ】
スメーダとは、ブッダさんの前世の名前。
スメーダさんは出家して、ものすごい神通力の使い手。
ある時、空を飛んでいると都がものすごい賑わっているのを見つける。
どうしたのかな、と思って聞いてみると「ディーパンカラ(=燃燈仏)さんがやってくるので、
今食事の準備や道の整備をしたりしてるんです」と言われる。
仏さまに会えることに感激したスメーダさん。
「私も是非お手伝いさせてください。洪水でひどく傷んでいるあの道を修復させて下さい。」言い、
神通力でなく自力で道をせっせと修復する。
だけども、修復が終わる前に、ディーパンカラ一行が到着してしまう。
まだ洪水で水びたしの道に、スメーダさんは自分の体をうつぶせにして横たわり、
「泥を踏まずにどうか私の背中を通って行ってください」と言う。
それを見たディーパンカラは民衆に向かって、
「この人は身を捨てて仏のためになろうとしています。
すごく先の未来だけど、ゴータマ・シッタールダという名の尊い仏となるでしょう」と予言した、
と言われています。

【刑事ポリス】
おそらくは「デカポリス」をかけたシャレ。
古代ローマ時代、シリア南部にあった十都市連合のことを総してデカポリスという。
(でかいから、ではないと思う。)
早い頃からキリスト教が広まっていて、遺跡だけでも14個、教会の跡が発掘されているそう。


その他のTシャツについても気になる方はこちらから!!

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その1
1巻表紙絵:「南無三」「ジーザス」、1巻見出し絵:「仏顔×3」「ヨシュア」、
1巻見出し絵:「シャカ族」「父と私と精霊」、1巻その1話「シッダールダ」「アーメン」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その2
1巻その2話:「ニルヴァーナ」「ミレニアム」、1巻その3話:「スジャータ」「Male Is Not Ambitious」、
1巻その4話:「ほけきょう」「13」、1巻その5話「右脇」「夢」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その3
1巻その5話:「白い象」、1巻その6話:「サムソンとデリラ」、
1巻その7話:「ダンマパタ」「東方三博士」、1巻その8話:「バラモン」「魚×2 パン×5」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その4
2巻表紙絵:「天上天下」「ヨシュア」、1巻その10話:「ラーフラ」「善いサマリア人」、
2巻その11話:「ぼんてん」「アブラハム100歳」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その5
2巻その12話:「竜王ムチリンダ」「ベロニカ」、2巻その13話:「カンタカ」「サロメ」、
2巻その14話:「出家しました。」「ばべる」、2巻その15話:「サイのツノ」「知らない×3」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その6
3巻表紙絵:「カーシーブランド」「ダビデ」、3巻その16話:「降魔成道」「大工の子」、
3巻その17話:「クシナガラ」「銀貨30枚」、3巻その18話:「水桶返し」「やっぱりロバが好き」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その8
4巻表紙絵:「仏なんだもの」「善いサマリア人」、4巻その23話:「最上の牛」、
4巻その24話:「ゴータマ」「はじめの七歩」「山派」、4巻その25話「金の鹿」「粘土の雀」

ブッダ、イエスのTシャツコレクション その9
4巻その26話:「歯×40」「根比〜べ」、4巻その27話:「うらぼんえ」「るるど」、
4巻その28話:「あらかん」「ガリラヤ」、4巻その29話:「スッドーダナ」「ゲッセマネ」


【参考文献】
釈迦とイエス:ひろさちや著
ズバリ図解仏教:仏教史編纂委員会著
知識ゼロからの仏教入門:長田幸康著
はじめての宗教:三田誠広著
イエスの生涯:ジェラード・ベシエール著、小河陽監修
聖書名表現の常識:石黒マリーローズ

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